本日、10月20日は「リサイクルの日」です。「ひとまわり(10)、ふたまわり(20)」の語呂合わせで、1990年(平成2年)に日本リサイクルネットワーク会議と地域交流センターが合同で制定しました。
リサイクルというと、最近の活動のように聞こえるかもしれませんが、私たちシニア世代にとっては、子どもの頃から当たり前に持っていた「もったいない」の精神そのものです。ものを捨てずに、工夫して長く使う—この豊かな知恵を、現代の暮らしに活かしてみるのはいかがでしょう?
世界が注目する「MOTTAINAI」
この「もったいない」という言葉は、今や世界共通語として広まっています。
ノーベル平和賞を受賞した、ケニア出身の環境保護活動家、ワンガリ・マータイさんが2005年に来日した際、この言葉に深く感銘を受けました。彼女は「もったいない」には、環境保全の原則である「3R」に加えて、地球に対する「尊敬(リスペクト)」の念が込められていると解釈しました。
- Reduce(ゴミを減らす)
- Reuse(再利用する)
- Recycle(再資源化する)
- Respect(尊敬の念)
マータイさんは、この「MOTTAINAI」を、世界共通の「環境を守る合言葉」として世界中に広める活動を始めました。私たちが長年大切にしてきたこの言葉は、今、地球全体の未来のために役立っているのです。
データが示す日本のリサイクル状況
世界に誇る精神がある一方で、日本のリサイクル状況は、まだ改善の余地があります。
環境省の最新データによると、私たちが毎日出す一般廃棄物(家庭ゴミなど)のリサイクル率は、近年約19%〜20%前後で推移しています。
| 年度(参考) | 一般廃棄物リサイクル率 |
| 2021年度 | 19.9% |
| 2022年度 | 19.6% |
| 2023年度 | 19.5% |
| 出典:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等」より |
この数字を見ると、一人ひとりの「もったいない」を形にすることが、どれほど大切かわかります。
小さな「もったいない」から始める
私たちの日々の小さな工夫が、リサイクル率を上げる一歩になります。
例えば、ゴールドライフ高茶屋でも、昔ながらの知恵を活かした取り組みを実践しています。
📰 折込チラシが立派なゴミ箱に!
捨てるだけの折込チラシや新聞紙を使って、小さな紙製のゴミ箱を折っています。
- 衛生的: 生ゴミやちょっとしたゴミを捨てたら、そのまま燃えるゴミとして出せます。
- 実用的: 簡単に作れるので、いくつも用意しておけば、キッチンや作業スペースで大活躍します。
- 頭の体操: チラシを折る作業は、指先を動かす良いリハビリや頭の体操にもなります。
「ゴミになるはずだったもの」を「ゴミを入れるもの」として活用する。これこそ、日本の素晴らしい「もったいない」の知恵です。
暮らしを豊かにする「長く使う」知恵
リサイクル(再資源化)だけでなく、リユース(再利用)やリデュース(ゴミを減らす)も大切です。
- 着物や古布のリユース: 古くなった着物や浴衣をほどいて、雑巾や小物入れ、刺し子の材料に。思い出の布が、新しい形で息を吹き返します。
- 食材の使い切り: 野菜の皮やヘタ、魚のアラなどを捨てずに調理する工夫。例えば、野菜の切れ端を煮てだしにしたり、大根の葉を炒めてふりかけにしたり。
- 修理と手入れ: 壊れた家電や家具をすぐに買い替えるのではなく、まずは修理や手入れをしてみる。愛着のあるものを長く使う喜びは、何物にも代えがたいものです。
「もったいない」の精神は、資源を大切にするだけでなく、心豊かな暮らしそのものに通じています。
このリサイクルの日を機に、ぜひ身の回りのものをじっくり見つめ直し、「これはまだ使えるかな?」「何か別のものに活かせないかな?」と考えてみてはいかがでしょうか?






