「フレイル」という言葉をご存知でしょうか? フレイルとは、年齢とともに心身の活力が低下し、病気や介護が必要な状態になりやすい、いわば「虚弱」な状態を指します。しかし、これは単なる「老化」ではありません。早期に気づき、適切な対策をとることで、その進行を遅らせたり、健康な状態に戻したりすることが可能です。
今回は、セカンドライフをより豊かに、そして自分らしく輝き続けるために、今日から始められる「フレイル予防」について詳しくご紹介します。
「フレイル」って、どんな状態? 身近なサインを見逃さないで!
フレイルは、以下の3つの側面から総合的に判断されます。
- 身体的フレイル: 筋力や身体機能の低下
- 例:
- 疲れやすい、倦怠感が続く
- 歩く速度が遅くなった
- 握力が弱くなった
- 何もないところでつまずきやすくなった
- 体重が意図せず減少した
- ペットボトルの蓋が開けにくい
- 椅子から立ち上がるのが辛い
- 例:
- 精神・心理的フレイル: 認知機能の低下、抑うつ、意欲の低下
- 例:
- 物忘れが多くなった
- 趣味や外出への興味が薄れた
- 気分が落ち込みやすい
- 例:
- 社会的フレイル: 社会とのつながりの希薄化
- 例:
- 外出の機会が減った
- 友人との交流が少なくなった
- 地域活動に参加しなくなった
- 例:
これらのサインがいくつか当てはまる場合、フレイルの入り口にいる可能性があります。しかし、これは「まだ間に合う」というサインでもあります。
なぜフレイル予防が大切なの? 健康寿命を延ばす、その先へ
フレイルを予防することは、単に要介護状態になるのを防ぐだけでなく、あなたのセカンドライフの質を大きく左右します。
- 自由に動ける喜び: 旅行、趣味、ボランティア活動など、行きたい場所へ行き、やりたいことをする自由を維持できます。
- 社会とのつながり: 友人や家族との交流を深め、新しいコミュニティに参加することで、孤独感を防ぎ、生きがいを見つけることができます。
- 心の安定: 活動的でいることで、気分が明るくなり、うつ病のリスクを減らすことにもつながります。
- 医療費の抑制: 健康を維持することで、医療費や介護費用を抑えることができ、経済的なゆとりにも繋がります。
フレイルを予防することは、「健康寿命を延ばす」ことにつながります。つまり「心身ともに健康で、自立した生活を送れる期間」を長くすることに直結します。
今日からできる!フレイル予防の「3つの柱」
フレイル予防には、主に以下の3つの柱があります。これらをバランスよく実践することが重要です。
3-1. 栄養:バランスの取れた食事で身体の土台を作る
フレイル予防において最も重要なのが「栄養」です。特に、高齢になると食が細くなりがちですが、筋肉量や活力を維持するためには、十分なエネルギーとタンパク質が必要です。
- 毎食「主食・主菜・副菜」を意識する:
- 主食(ごはん、パン、麺など): エネルギー源
- 主菜(肉、魚、卵、大豆製品など): 筋肉の材料となるタンパク質源。特に**動物性タンパク質(肉、魚、乳製品)**を積極的に摂りましょう。
- 副菜(野菜、きのこ、海藻など): ビタミン、ミネラル、食物繊維源。
- タンパク質は「意識して」摂る:
- 1日3食、手のひらサイズの肉や魚、卵1個、納豆1パック、牛乳コップ1杯などを目安に。
- 間食にチーズやヨーグルト、プロテイン飲料などを取り入れるのもおすすめです。
- 様々な食材をバランスよく: 偏った食事にならないよう、旬の食材や色々な種類の食材を食べるようにしましょう。
- 水分補給も忘れずに: 脱水は体調不良の原因になります。喉が渇いていなくてもこまめに水分を摂りましょう。
3-2. 運動:無理なく楽しく、身体を動かす習慣を
筋力やバランス能力の維持・向上は、転倒予防や活動量の維持に不可欠です。
- ウォーキング: 一日30分程度を目標に、自分のペースで行いましょう。少し息が上がる程度の早歩きも効果的です。
- 筋力トレーニング:
- スクワット: 椅子に座る、立ち上がる動作を繰り返すだけでも効果があります。
- かかと上げ: 椅子につかまって、かかとを上げ下げする運動。ふくらはぎの筋肉を鍛え、歩行が安定します。
- 上肢の運動: ペットボトルを使った腕の上げ下げ、肩回しなども。
- ストレッチ: 身体の柔軟性を保ち、怪我の予防にもなります。お風呂上りなど、身体が温まっている時に行うと効果的です。
- バランス運動: 片足立ち、T字バランスなど、転倒予防に繋がる運動を取り入れましょう。
無理は禁物です。毎日少しずつでも、継続することが大切です。 地域によっては、社会福祉協議会などで、シニア向けの運動教室や体操教室が開催されています。プロの先生が教えてくれるので、正しい方法を学びに行くと良いと思います。
3-3. 社会参加:人とのつながりで心も活発に
社会とのつながりが希薄になると、活動量が減り、孤立感から精神的フレイルのリスクが高まります。特に男性の方は要注意ですね。
- 趣味のサークルや教室に参加する: 共通の趣味を持つ仲間との交流は、大きな喜びと刺激になります。
- 地域のボランティア活動に参加する: 社会貢献は、自分の存在意義を感じ、生きがいに繋がります。
- 自治会や町内会の活動に参加する: 地域とのつながりを深め、いざという時の助け合いにも繋がります。
- 友人や家族との交流を増やす: 定期的に電話をする、食事に行く、一緒に外出するなど、意識して交流の機会を作りましょう。
- デジタルツールを活用する: スマートフォンやタブレットを使って、遠方の友人や家族とビデオ通話をしたり、SNSで共通の趣味を持つ人と交流したりするのも有効です。
社会とのつながりは、脳の活性化にも繋がり、認知機能の維持にも貢献します。
まとめ:フレイル予防は、あなたらしいセカンドライフをデザインする第一歩
フレイル予防は、特別なことではありません。 日々の生活の中で、少し意識を変えるだけで始められます。
「よく食べ、よく動き、人とつながる」
このシンプルな3つの柱を意識し、自分に合った方法で実践することで、 健康寿命を延ばすことができるはずです。
さあ、今日からフレイル予防を始めて、充実した毎日を手に入れましょう!