
日本歯科医師会は1993年(平成5年)より、
11月8日を「い(1)い(1)歯(8)」の
語呂合わせでPR重点日として設定し、
この日に合わせて、さまざまな歯科保健啓発活動を
行っています。
日本歯科医師会のホームページのセンスは秀逸で、
資産形成ならぬ、歯産形成 投資を投歯 と
表現しています。
歯とお口の健康は、体全体の健康と密接に関わり、
健康寿命の延伸につなげることができます。
年を重ねてもお口の健康を維持することができれば、
食事をおいしく感じることができ、
友人との会話も楽しくなることで、
表情筋の運動にもなり、結果実りある人生に
つなげることができます。
“80歳になっても20本以上自分の歯を保とう”を
目標に、1989年から始まった、8020運動を
ご存じでしょうか?
35年が経過しましたが、運動が始まった当初、
80歳で20本以上自分の歯を保っている人の割合は
11.7%程度でした。
人間には永久歯が28本あります。
もう、ほとんど歯がない状態です。
では、その後どうなったのでしょうか?
8020運動の成果として、2022年に80歳~84歳で
20本以上の自分の歯を保っている人の割合は
45.6%に達しました。
もう少しで達成できそうです。
特に85歳以上のカテゴリーでは、
20本以上の歯がある方が
1993年は2.8%だったのが、2022年には
38.1%まで上がっています。
今度は歯を失ってしっかり食物を噛めなくなってしまった場合の
リスクを考えてみましょう。
- 認知症になるリスク
- 生活の質が低下する
ものを噛むことで脳に酸素や栄養が送られ、
脳細胞を活性化させることにつながります。
噛むことで刺激された脳は、「前頭前野」という領域です。
ここは思考や学習、計画立案など論理的な働きを
担っています。
前頭前野が弱ると、認知症が発生する可能性があがります。
歯がなければ食事を美味しく食べることができず、
他者とのコミュニケーションも途絶えがちになります。
結果として表情筋が乏しくなり、
生活の質(QOL)が低下してしまいます。
フレイル状態に近づくということです。
北欧のフィンランドでは80歳を超えても、
多くの人が20本以上の歯があるそうです。
(平均25本)
虫歯予防の習慣が根付いているからだと、
言われていますが、
きっとわれわれ日本人も真似することが
できるはずです。
皆で一緒に8020を達成し、実りあるシニアライフを
満喫しましょう。
それでは、また。