11月26日は、いいふろの日。
その語呂合わせから、日本浴用剤工業会が制定しました。
そんなことで、今日は入浴に関するプラスの効能と、リスクについて
簡単にご説明いたします。
まず、入浴のメリットです。
入浴には健康面でのメリットが3つあります。
まず、1番目は温熱効果です。
入浴すると、体が温まることで、血管が拡張し、
血の巡りがよくなります。
新陳代謝が活発になり、
疲労物質や老廃物の回収が促進されます。
体の各所の痛みは、温まることで緊張がほぐれ、
痛みは軽減します。また副交感神経が優位になり、
リラックス効果があります。
2番目は静水圧効果です。
足のむくみに悩まされる女性も多いのではないでしょうか?
お湯の中で水圧がかかると、
静脈にも圧力がかかり、血行が促進されます。
その結果、むくみの解消に役立つのです。
3番目は浮力の作用です。
どっぷりとお湯につかると、
体重は通常時の1/10近くになります。
それにより、体の筋肉を休ませる
ことができリラックスにつながるのです。
では、入浴のデメリットは何でしょうか?
それは冬場の浴室での溺死事故です。
高齢者の事故による死因第3位は、入浴中の
ヒートショック等による溺死です。
交通事故の年間死者数より、ずっと多い4,750人です。
(令和3年度 厚生労働省人口動態統計)
入浴時の事故が多くなる原因の一つは、
急な温度差による血圧の急激な変化です。
暖房のきいた暖かい部屋から、冷え込んだ脱衣所に移動すると、
血管が縮まり血圧が一気に上昇します。
その後、浴槽に入り体が温まってくると血管が広がり、
急上昇した血圧が下がります。
この急激な血圧の変化により、
脳内に血液が回らない貧血の状態が
一過性の意識障害を起こします。
高齢者の入浴には一定のリスクがあるものの、
正しく入浴すれば、健康の維持に大きく
貢献します。
血圧の急激な上下運動を避け、入浴中に事故に
あわないために下記のことを注意しましょう。
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
- 湯温は41度以下、お湯につかる時間は10分までを目安にする
- 浴槽から急に立ち上がらない
- 食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
- お風呂に入る前に、同居する家族等にひと声かける
家庭内での事故に気を付けながら、
健康で自由なシニアライフを楽しみましょう