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2025[Fri]
06.13

タイムスリップ!江戸の面影残る宿場町「関宿」

名所旧跡日々雑感

今回は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえる、素敵な場所をご紹介します。東海道五十三次の47番目の宿場町、三重県亀山市関町にある「関宿(せきじゅく)」です。


東海道五十三次とは?

江戸時代、江戸と京都を結ぶ主要な街道として栄えた東海道。その道中には、旅人たちが休憩したり宿泊したりするための宿場町が53ヶ所設けられていました。歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」でもおなじみです。関宿は、その中でも重要な宿場町の一つとして栄えました。


昔の雰囲気を今に残す町並み

関宿を歩くと、まずその美しい町並みに目を奪われます。江戸時代から明治時代にかけて建てられた古い町家がずらりと並び、そのほとんどが今も大切に使われています。白壁と格子窓が特徴的な伝統的な建物は、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されており、どこを切り取っても絵になる風景です。

車通りも少なく、ゆっくりと散策できるので、ご自身のペースで昔ながらの雰囲気を満喫できます。お店の軒先に吊るされた暖簾や、昔ながらの郵便ポストなど、細部にまでこだわりが感じられ、歩いているだけで楽しいです。


玉屋の繁栄と広重の眼差し

関宿には、宿場町ならではの見どころもたくさんあります。中でも特筆すべきは、関宿旅籠玉屋歴史資料館です。

この資料館は、江戸時代に実際に旅籠として栄えた「玉屋」を復元・公開しています。玉屋は、関宿でも有数の規模を誇る旅籠でした。当時の間取りや帳場、客室などが忠実に再現されており、まるで時間が止まったかのような空間が広がっています。

玉屋の当時の規模は非常に大きく、なんと200人もの旅人が宿泊できたと言われています。これは、当時の宿場町の中でもかなりの規模を誇る旅籠だったことがうかがえます。今の歴史資料館となっている部分は、当時の敷地の半分ほどで、残りの半分は郵便局として利用されています。かつての繁栄ぶりに思いを馳せながら見学すると、より一層感慨深いものがありますね。

そして、歴史好きの皆さんにはたまらない展示として、歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」の関宿の現物が展示されています。広重が実際に見て描いた、当時の関宿の様子を間近で見られるのは、感動ものですよ。浮世絵に描かれた風景と、今目の前にある関宿の町並みを重ね合わせると、江戸時代の旅人になった気分を味わえるでしょう。


旅籠と木賃宿の違いとは?

ところで、江戸時代の宿泊施設には「旅籠」と「木賃宿(きちんやど)」という種類があったのをご存知でしょうか?

  • 旅籠(はたご):食事付きの宿で、比較的裕福な旅人や武士などが利用しました。寝具や身の回りの世話も含まれ、現代の旅館に近い形態です。玉屋のような大きな旅籠では、多くの部屋を持ち、様々な客層に対応していました。
  • 木賃宿(きちんやど):宿泊料を木賃(まきだい)つまり薪代で支払う簡素な宿でした。食事は出されず、寝具も自分で用意するか借りるかのどちらか。主に庶民や行商人が利用し、比較的安価に利用できました。

玉屋はまさに、旅籠として旅人をもてなし、関宿の繁栄を支えていたのです。

籠玉屋歴史資料館

その他にも、昔ながらの和菓子屋さんや古民家を改造したカフェ、不思議な紅茶専門店、お土産物屋さんなどが点在しており、散策の合間に立ち寄るのも楽しいです。


宿場町の情報板「高札場」

関宿を散策していると、もう一つ、江戸時代の宿場町らしい見どころがあります。それは、高札場(こうさつば)です。

高札場とは、江戸時代に幕府や藩が、法令や禁令、お触れなどを庶民に知らせるために設置した掲示板のこと。宿場の入口や中心など、人通りの多い場所に設けられていました。旅人や商人、地元の人々が、そこで最新の情報や注意すべき事柄を確認していたのです。関宿の高札場は、当時の様子を伝える貴重な史跡として再現されており、当時の旅のルールや世情を垣間見ることができます。旅人たちが、そこに掲げられた高札を真剣な表情で読み込んでいる姿を想像すると、江戸時代の旅の厳しさや情報の大切さが伝わってきますね。


関の名産品「関の火縄」

関宿が位置する亀山市関町は、実は古くから刀鍛冶の技術が発展しており、その技術を活かした特産品がありました。それが「関の火縄」です。

関の火縄は、その燃え具合の良さと品質の高さから、全国的に知られた名品でした。旅の途中で一服する商人や、宿場でくつろぐ旅人たちが、煙管(きせる)に詰めた煙草に火をつけようと、「関の火縄」を求めていた様子が目に浮かびますね。当時の人々にとって、手軽に火を得られる火縄は、まさに日々の生活に欠かせない重要な道具でした。関の職人たちが培ってきた技術が、こんな身近なところでも役立っていたかと思うと、なんだか温かい気持ちになります。町を散策しながら、そんな当時の人々の暮らしや産業に思いを馳せるのも、また一興です。


アクセスも便利!

関宿は、JR関西本線「関駅」から徒歩圏内とアクセスも便利です。ゴールドライフ高茶屋からは、車で約30km、40分程度の距離です。日帰りでも十分に楽しめますが、せっかくなら近隣の温泉地などに宿泊して、ゆったりとした時間を過ごすのもおすすめです。

歴史好きの方はもちろん、昔の雰囲気を味わいたい方、のんびり散策を楽しみたい方にはぴったりの場所です。ぜひ、この機会に三重県関市の関宿を訪れて、江戸時代にタイムスリップしたような特別な体験をしてみてはいかがでしょうか?



シニア向け住宅アドバイザー ライター:添田 浩司

安心安全な住まい、日々の健康や、自分らしい暮らしに役立つ情報、地域の話題などを配信していきます。

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