皆様がマイホームを建築、購入されたのはいつのころだったでしょうか?
結婚して子供が生まれてから、家族の幸せのために建てたマイホーム。
もし今、あなたが80歳だとしたらという仮定のお話で、
今回の内容を進めさせていただきます。
あれから50年の月日が過ぎました。
子供たちは20年も前に独立してます。
当時は子育てをメインに考えて、郊外に建てた夢のマイホームでした。
しかし今では子供部屋はすっかり荷物置き場となっています。
5つ年上の夫は1年前に亡くなり、
大きな家での暮らしは一層の寂しさを感じさせます。
毎日の掃除は欠かさず行いますが、
5部屋もある家の掃除と、庭の手入れによる身体への負担は
大きくなってきたと最近感じています。
幸せな家族に適したサイズの家は、子供が独立して
家から出ていくと、高齢者にとっては、
管理面において持てあますようになります。
1年が過ぎる毎に気力と体力が失われていくのが
実感できます。
友達は、「駅前のコンパクトなマンションに引越したら?」、
と言ってくれますが、家の整理、売却、新しい住まいへの買い替え
といったことへの意欲は高まらず、
結果として消極的な気持ちではあるものの、
住みにくくなった我が家を終の棲家として、
我慢をして住み続けるという選択をしています。
家は築年数が40年、50年と越えてくると
経年劣化によりあらゆる箇所が痛み出します。
外壁塗装、キッチン、トイレ、浴室等の水回りの交換に、
配管自体も交換しなくてはならないかもしれません。
屋根瓦の耐用年数は50年くらいですから、
将来的には雨漏れの心配も出てきます。
現代の耐震基準は満たしていないので、
耐震工事までを視野に入れると、
リフォーム費用は1,500万円以上かかっても
不思議ではありません。
郊外の戸建ての為、車が運転できるうちは良いのですが、
いずれは運転免許の返納も考えなくてはなりません。
そうなると、日常の買い物等が相当に不便なことになります。
近所に住んでいないこどもたちも、当然にあなたを助けたい
気持ちはあっても、買い物や通院のすべてを手伝うことは
非常に難しいです。
介護施設に入るときの平均年齢は、はっきりとはわかりませんが、
82歳~85歳くらいでしょうか?
お元気な方はいつまでもお元気ですが、
そうでない方は、ある日突然という感覚で、その日がきます。
脳梗塞を発症したり、古い家の段差で転倒したりして骨折
ということは他人事ではありません。
みなさん知っていますか?
高齢者の骨折場所は室内が80%で、
骨折箇所は大腿骨であることが非常に多いです。
しばらく入院すると、体力が落ちるため、
自宅復帰をするために老健施設に入所。
家に戻るために一所懸命にリハビリをしたものの、
1人での生活は難しく、よく調べる時間もないままに
子供たちが選んだ介護施設に入所する、
ということはよくあります。
家族の幸せを築いたマイホームは、こどもたちが売りに出し、
生活にゆとりがなければ、場合によっては
捨て値でも売却することになるのです。
そのようなことで良いのでしょうか?
自分の人生は自分で選択してこそ、
納得がいくのではないでしょうか?
高齢者になると、社会とのかかわりが現役のころよりは少なくなるので、
そんなに大きな家は必要ありません。
年齢によりますが、1人暮らしなら1部屋か2部屋で十分です。
それよりも車を運転しなくなることを考えて、
商業施設、病院、駅(バス停)が徒歩圏内にある
ことが重要です。
「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、
何事かをなすにはあまりにも短い」と言ったのは、
明治時代の教員であり小説家であった中島敦。
今夏が終われば、あっという間に街路樹の
葉が落ちる季節がやってきます。
気力のある今こそ、自分の人生をしっかりと考えて
行動できるのではないでしょうか?
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