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2025[Tue]
06.24

夏の使者・カブトムシのひみつ

日々雑感夏の思い出

じめじめとした梅雨空の下、夏の訪れを感じさせるものといえば、力強い角を持つカブトムシではないでしょうか。お子さんやお孫さんと一緒に、夜の樹液に集まるカブトムシを探しに出かけた思い出をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

さて、皆さんはカブトムシが一番多く見られる時期はいつ頃かご存知でしょうか?


「やっぱり、夏真っ盛りの7月や8月じゃない?


そう思われた方も多いかもしれません。ところが、実は例年、6月下旬が最もカブトムシの活動が活発になる時期だと言われているんです。意外に思われるかもしれませんが、彼らは夏の主役として登場する準備を、この梅雨の時期に進めているんですね。


今年のカブトムシの異変

しかし、今年のカブトムシは、なんだか例年より少ないような気がしませんか? 筆者は愛知県の江南市に住んでいるのですが、子どもたちと話していると、昨年より明らかに少ないという声を聞きます。もちろん日本中でカブトムシが少ないかどうかはわかりませんが、私の周りではそう感じています。これには、いくつかの理由が考えられます。


カブトムシが減っている2つの理由

  1. 住む場所の減少 私たちの身の回りでは、かつてカブトムシたちが暮らしていた雑木林が年々姿を消し、住宅地や畑が増えてきました。カブトムシは、成虫になるとクヌギやコナラなどの樹液を餌とし、幼虫は腐葉土の中で育ちます。彼らにとって住みやすい環境が少なくなってきていることが、個体数の減少に大きく影響しています。これは、私たちの暮らしの変化とともに、じわじわと進んでいる「大きな時代の流れ」と言えるでしょう。




  2. 空梅雨の影響 もう一つ、今年のカブトムシの少なさに影響しているのが「梅雨」です。 カブトムシは、卵から幼虫、そしてさなぎへと成長し、地中で成虫になります。そして、いよいよ地上へと出てくるのですが、その時に地面がカチカチに固まっていると、うまく外に出ることができません。梅雨の雨によって地面が適度に柔らかくなることで、彼らは地中から這い出しやすくなるのです。 しかし、今年の梅雨は、例年に比べて雨が少なく「空梅雨」の傾向にあります。そのため、地面が乾燥して硬くなってしまい、地中にいるカブトムシたちが地上に出てくるのを妨げている可能性も考えられるのです。



自然の変化に目を向ける

カブトムシの数が減っているという話は、少し寂しい気もします。しかし、こうした身近な生き物の変化から、私たちは環境の変化や自然のサイクルについて改めて考えるきっかけをもらっているのかもしれません。


今年の夏、もしカブトムシを見かけたら、いつもより少しだけ、その命の尊さや力強さに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、カブトムシはクヌギの木が好きですが、コナラやヤナギといった他の木にもやって来ます。カブトムシは比較的夕方に活発に動きますので、お孫さんと一緒に探しに行ってみるのも楽しいですよ。


シニア向け住宅アドバイザー ライター:添田 浩司

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