■熱中症とは
熱中症とは、現代の日本の高温多湿な環境下において、
体温が上がった状態の中、体内の水分や塩分が減少し、
血液の流れが滞るなどの影響によりバランスが崩れ、
体温の調節機能が働かくなることで起きる
体温の上昇を含むさまざまな症状のことをいいます。
人間は36度前後に体の温度を調節している恒温動物です。
気温が高い時には、自律神経を介して
末梢血管が拡張することにより、
外気への放熱することができ、 体温低下を図ることができます。
また、汗をかけば、汗が蒸発する(気化熱)ことで
体温を低下させることができます。
しかし私たちは、水分や塩分が失われるなどの脱水状態に対して、
体が適切に対処できなければ、
体に何らかの異常がでます。熱の生産と熱の発散の
バランス が崩れると、体温が急激に上昇し、
めまい、立ち眩み、失神、筋肉のけいれん、頭痛、吐き気、
ひきつけ、水分補給ができないといった症状がでます。
こういった症状が熱中症です。
■熱中症による被害
熱中症は命にかかわる病気です。
熱中症による救急搬送人員は毎年数万人を超え、
死亡者数は、この5年平均では年1,313人。
1,500人前後の年もあるほどの高い水準です。
≪熱中症による死者≫
2018年 1,581人
2019年 1,224人
2020年 1,528人
2021年 755人
2022年 1,477人
■熱中症の予防対策(政府)
熱中症を予防するため、政府では令和6年(2024年)4月から
熱中症特別警戒アラートの運用が始まっています。
熱中症警戒アラートは、危険な気温が予想される場合に、
熱中症への警戒を呼びかけるものですが、
熱中症特別警戒アラートはさらに1段上の警戒です。
熱中症警戒アラートが発表されたときには、
①外出をやめる
②屋外での運動及び長時間の作業をやめる
③こまめに水分・塩分の補給をする
などの熱中症予防行動をとりましょう。
■熱中症の予防対策(自己防衛)
・暑さを避けることが最も効果的です。
警戒アラートが発令された際には、不要不急の
外出はできるだけ避けましょう。
室内ではエアコンを適切に使用して、
部屋の温度を調整すると良いでしょう。
また、フィルター掃除をしていないエアコンでは
冷房の効果が下がります。
梅雨の前にはエアコンの試運転を行い、
清掃状況を確認しましょう。
■高齢者は熱中症のリスクが高いです
高齢者は、暑さを感じにくいことと、発汗と血液循環が
低下しているため、暑さに対する耐性が低下しています。
暑い日はふだん以上に、エアコンを使用して、
こまめに水分・塩分の補給をするようにしましょう。
■散歩中に具合が悪くなったら
熱中症特別警戒アラートは、人の健康に係る重大な被害が
生じる可能性がある場合に発表されます。
市町村では、住民が危険な暑さから避難するための場所として、
「クーリングシェルター」を指定しています。
クーリングシェルターは、熱中症特別警戒アラートが
発表されている期間中、一般に開放されます。
※ゴールドライフ富田周辺の民間施設では、
イオン四日市北が該当します。
■暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度)を確認しましょう
政府では、身の回りの暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature:
湿球黒球温度)を行動の基準にするよう呼び掛けています。
暑さ指数(WBGT)は、気温、湿度、日射・輻射、風の要素をもとに
算出する指標として、特に労働や運動時の熱中症予防に用いられています。
暑さ指数が31以上になると危険な暑さとなります。
※暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)
は、熱中症を予防することを目的として1954年に
アメリカで発案された指標です。
単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、
その値は気温とは異なります。
暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に
着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい
下記の3つを取り入れた指標です。
①湿度
②日射・輻射など周辺の熱環境
③気温
熱中症はひとたび発症すれば、命にかかわる症状ですが、
予防法を知っていれば防ぐことができます。
熱中症警戒アラートを活用して、熱中症の危険性が極めて高くなると
予想される日は、外出や屋外での活動といったことを避け、
水分・塩分の補給をしっかり行うなどの対策が重要です。