毎年10月12日は「豆乳の日」です。「トウ(10)ニュウ(2)」という語呂合わせから、日本豆乳協会によって制定されました。この日を機に、日本の食文化に深く根ざした豆乳の魅力を再確認しましょう。
豆乳とは、簡単に言えば、大豆を水に浸してすり潰し、加熱して漉(こ)した、乳白色の液体のことです。
- 製造の仕組み:
- 乾燥大豆を水に浸す すり潰して加熱 漉された液が「豆乳」
- 漉して残った繊維質が「おから」になります。
- 豆腐との関係: この豆乳に「にがり」などの凝固剤を加えて固めたものが「豆腐」です。
つまり、豆乳は「畑の肉」と呼ばれる大豆の栄養素が、吸収されやすい液状になった「大豆のエキス」なのです。コレステロールは含まれておらず、植物性食品として、日々の健康を支える優秀な飲料です。
加齢とともに変化するシニアの体調を、豆乳は強力にサポートします。特に注目すべきは、次の二大成分です。
① 骨の健康をサポートする「大豆イソフラボン」
女性にとって、閉経後に骨密度を維持する女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。
- イソフラボンの役割: 大豆イソフラボンは、その女性ホルモンに構造が似た働きをすることが知られています。特に閉経後の女性の骨密度低下をゆるやかにサポートする作用が期待されており、「第二の女性ホルモン」とも呼ばれます。
② 筋肉と活力を保つ「良質な植物性タンパク質」
シニア世代は、筋力低下(サルコペニア)や心身の活力低下(フレイル)の予防が重要です。
- 必須アミノ酸: 豆乳は、体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含む良質な植物性タンパク質の供給源です。
- 効率的な栄養補給: 脂質やカロリーを抑えつつ、筋肉や丈夫な体づくりに必要なタンパク質を、調理の手間なく手軽に補給できるため、低栄養を防ぐ上でも非常に優れています。
豆乳は、牛乳よりも鉄分が豊富に含まれており、貧血予防にも役立ちます。また、近年の研究では、豆乳を日常的に摂取している人が、そうでない人に比べて認知症の発症リスクが低くなる可能性も示唆されており、脳の健康維持にも期待が寄せられています。






