本日10月22日は、1797年に世界初のパラシュート降下実験が成功したことにちなむ「パラシュートの日」です。
パラシュートの役割はただ一つ。自由落下のような急降下を穏やかな着地へと導き、命と安全を守ることです。
このパラシュートの技術の中に、私たちが残りの人生を穏やかで豊かに送るための、深い知恵が隠されています。今日は、空のプロが実践する「究極の受け身」から、人生の衝撃を和らげる秘訣を学んでみましょう。
究極の受け身「五点接地」をご存知ですか？
パラシュートで飛び降りた人が着地する際、安全に衝撃を分散させるための技術があります。それが「五点接地」です。
これは、着地の衝撃を一点に集中させるのではなく、以下の5つのポイントに順番に力を逃がして、体全体で受け止めるための「受け身」の姿勢です。
- 足
- ふくらはぎ
- 太もも
- 尻
- 背中
私たちのセカンドライフも、時に予期せぬ困難や大きな変化という「衝撃」に見舞われることがあります。その衝撃を和らげ、怪我なく、穏やかに「着地」するための備えこそが、私たちシニア世代の「人生の五点接地」ではないでしょうか。
老後の衝撃を吸収する「人生の五点接地」
人生の後半戦を、安心して穏やかに過ごすために頼りになる、私たちの五つの「備え」を見てみましょう。
1. 足（健康）― 最後の瞬間まで「自分の足」で立つ準備
健康こそが、人生の土台です。パラシュート降下でも、まず最初に地面に着くのは「足」です。
- 備え： 日々の散歩、ストレッチ、バランスの取れた食生活。大病の衝撃を分散させるために、定期健診を欠かさない。
- 知恵： 「まだ大丈夫」ではなく、「今から準備」を始める。自分の足で好きな場所へ行けることが、何よりの安心です。
2. ふくらはぎ・太もも（経済）― 頼れる「安心のクッション」
経済的な不安は、老後の大きな衝撃の一つです。
- 備え： 年金や貯蓄といった「資産のクッション」を、無理のない範囲で整備しておくこと。
- 知恵： 大きなお金ではなく、毎日の生活の中で**「無理なく減速できる」**よう、お金の使い方を見直すことも大切です。
3. 尻（趣味・生きがい）― 転んでも立ち上がれる「心の弾力」
心の安定は、転んだ時の衝撃を和らげます。
- 備え： 没頭できる趣味やサークル活動、社会との繋がり。これらが、落ち込んだ時や孤独を感じた時の「心の弾力」になります。
- 知恵： 何か一つに執着せず、いくつかの趣味や活動に「力を分散」させておくことが、心の安定につながります。
4. 背中（絆・仲間）― 頼れる「後ろ盾」
いざという時、「一人ではない」という感覚が、私たちを力強く支えます。
- 備え： 家族や長年の友人との絆を深めること。そして、新しく地域活動に参加し、頼れる人・頼られる人になること。
- 知恵： 困ったときに「助けて」と言える勇気。これは、パラシュートの紐のように、私たちを安全に吊り下げてくれる「命綱」です。
5. 頭（知恵・学び）― 変化に対応できる「柔軟性」
知識と柔軟な思考は、突然の時代の変化や新しい環境への衝撃を和らげます。
- 備え： 新しい技術（スマートフォンなど）への苦手意識をなくし、常に学ぶ姿勢を持ち続けること。
- 知恵： 若い頃の成功体験に固執せず、「力を抜いて、変化を受け入れる」柔軟な頭こそが、安全な着地への一番の鍵となります。
最後に：力を抜くことの大切さ
パラシュート降下のベテランは、着地前に「力を抜きなさい」と教えます。体に力が入っていると、かえって衝撃が集中し、怪我の原因になるからです。
私たちの人生も同じです。全てを完璧にしようと力みすぎず、五つの柱に頼る勇気を持ちながら、心と体の力を上手に抜きましょう。
今日という「パラシュートの日」をきっかけに、残りの人生を豊かで穏やかなものにするための「人生の五点接地」を見つめ直してみてはいかがでしょうか。さあ、力を抜いて、穏やかな着地を目指しましょう。