皆様、こんにちは!
いよいよ「専修寺を訪ねて」シリーズも最終回となりました。前回までは、専修寺の歴史、真宗高田派の教え、そして蓮の花を愛でる活動について深掘りしてきました。最終回となる今回は、専修寺を中心に広がる一身田の町並みと、その周辺に点在する由緒ある寺院の数々をご紹介し、この地域の歴史と文化の奥深さに迫っていきたいと思います!
寺内町~地形が育んだ暮らしの形~
専修寺がこの地に移って以来、一身田は「寺内町」として発展してきました。寺内町とは、大きな寺院を中心に形成された町のことで、専修寺を守るように、多くの寺院や町屋が立ち並び、独特の景観を作り出しています。

なぜ、一身田が寺内町として栄えたのでしょうか?その秘密は、この地の地形にも隠されています。専修寺が立つ一身田は、周囲を田畑に囲まれた、比較的平坦な土地ですが、かつては周囲に堀や土塁が築かれ、防衛機能を高めていました。これは、戦乱の世において、寺院やその門徒衆を守るための工夫だったのです。
専修寺周辺の由緒ある寺院
専修寺の門前には、その歴史を共に歩んできた由緒ある寺院がいくつかあります。これらの寺院は、専修寺の末寺として、あるいは縁の深い寺として、それぞれ独自の歴史や物語を持っています。
特に注目したいのが、専修寺の山門を挟んで向かい合うように建つ「玉保院(ぎょくほういん)」と「智慧光院(ちえこういん)」です。これら二つの寺院は、専修寺の「塔頭(たっちゅう)」と呼ばれる子院であり、慈智院(じちいん)と共に「筆頭三ヶ寺」と称されるほど、専修寺と密接な関係を持つ重要な寺院です。
- 玉保院(ぎょくほういん) 専修寺の山門から見て東側に位置する玉保院は、親鸞聖人の門弟によって創建された尊乗坊(そんじょうぼう)が起源とされ、その後、専修寺の別院として発展しました。境内の落ち着いた雰囲気は、静かに歴史を感じるのに最適です。
- 智慧光院(ちえこういん) 玉保院の向かい、山門から見て西側に位置するのが智慧光院です。こちらも専修寺の重要な塔頭であり、かつては専修寺の学寮としても機能していたとされ、学問の中心でもありました。精緻な彫刻が施された門など、見どころも多いお寺です。


これらの塔頭は、専修寺の歴史を語る上で欠かせない存在であり、本山の信仰を支え、教えを広める上で重要な役割を担ってきました。専修寺を訪れた際には、ぜひ玉保院と智慧光院にも足を延ばし、その深い歴史と、本山との繋がりを感じてみてください。
歴史と信仰が息づく町へ
全3回にわたって、津市一身田にある真宗高田派本山・専修寺とその周辺の魅力をたっぷりとお伝えしてきました。国宝の伽藍が放つ荘厳さ、泥の中から咲き誇る蓮の清らかさ、そして寺内町として栄えた歴史の面影。専修寺は、まさに「時を超え、美を育む」場所でした。
今回の専修寺探訪はいかがでしたでしょうか?一つ一つの建造物や町の成り立ちに、先人たちの知恵や願い、そして時代の変遷が刻まれていることを感じていただけたなら幸いです。






