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Machi Guide
街ガイド
2025[Thu]
07.17

第3回 関宿が誇る名物「火縄」

歴史関宿亀山市東海道53次



皆さん、こんにちは! これまでの回で、関宿が交通の要衝として栄え、多くの旅人で賑わった様子を見てきました。今回は、関宿のもう一つの顔ともいえる名物、火縄」 について深掘りしていきましょう。関宿は、かつて火縄の生産地として全国にその名を馳せていました。

火縄とは、火薬に点火するための縄状の道具で、主に火縄銃に使われました。火縄銃は、戦国時代から江戸時代にかけて主要な武器として使われ、その性能を左右する重要な部品が火縄でした。特に、雨の日でも確実に着火し、火力を安定して保つことのできる高品質な火縄は、戦場での命運を分けるほど重要だったのです。関宿の火縄は、その品質の高さで知られ、全国の武士や鉄砲鍛冶から重宝されていました。

なぜ関宿で火縄の生産が盛んになったのでしょうか? 関宿周辺は、火縄の原料となる綿や麻などの植物の栽培に適しており、また、火縄の製造に必要な高度な技術を持つ職人が集まっていたためと考えられています。彼らは、繊維を丁寧に加工し、硝石などの薬品を染み込ませることで、安定した火力を保つことができる高品質な火縄を作り上げていました。これは、まさに当時の最先端技術であり、関宿の職人たちの卓越した技の結晶だったのです。

さて、ここでよく聞かれる疑問にお答えしましょう。「火縄はキセルに使われたのですか?」というご質問ですが、結論から言うと、実用的にキセルに使われることは少なかったかもしれません。

キセルでタバコに火をつける際には、通常は「付け木」と呼ばれる細い木の棒や、火打ち石と火打ち金で火花を散らして着火した「火口」などを使いました。火縄は、その性質上、常に火種を保っているため、持ち運びには適していましたが、タバコに火をつけるには火力が強すぎ、また煙も出てしまうため、日常的にキセルに使うにはどうなんだ?という代物だったようです。ただ、関宿の観光案内の方からは、キセルに使われたという話も聞きますので、当時の粋な紳士方は、使っていたかもしれませんね。このあたりのことは、亀山ローソクさんに社会見学に行くことがあれば、聞いてみたいと思います。

しかし、火縄が「火」を扱う技術の象徴であったことは間違いありません。関宿の職人たちは、火薬と火縄という危険なものを扱う高度な技術を持っていました。その技術は、平和な時代になると、鉄砲の火縄だけでなく、花火の製造など、別の形で活かされていったのかもしれません。関宿の火縄は、単なる道具ではなく、当時の最先端技術と職人の技が詰まった、まさに「メイド・イン・関宿」の逸品だったのです。

シニア向け住宅アドバイザー ライター:添田 浩司

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