新しい年を迎え、松の内も過ぎた頃。 津市の冬の風物詩といえば、なんといっても「お七夜(おしちや)」です。 ここゴールドライフ高茶屋のある津市には、伊勢神宮にも引けを取らない、壮大な歴史と建築美を誇る大寺院が存在します。
それが、真宗高田派の総本山「専修寺」です。
地元では親しみを込めて「高田本山」と呼ばれていますが、実はここ、三重県で初めて建造物が「国宝」に指定された場所でもあります。 今回は、1月9日から16日にかけて行われた一大イベント「お七夜」の賑わいを振り返りつつ、知られざる「唐門」の秘密や、二つの国宝建築の決定的な違いについて紐解きます。
俗界を離れる境界線「山門」
一身田の寺内町に入り、まず参拝者を圧倒するのが巨大な「山門」です。 高さは約15メートル。2階建ての重厚な造りで、見上げると首が痛くなるほどの迫力です。 この門は、単なる出入り口ではありません。日常の悩みや煩悩(俗界)を一旦外に置き、仏様の住む清らかな世界(聖域)へと足を踏み入れるための、精神的なスイッチを切り替える場所です。
皇室ゆかりの証「唐門」の優美
山門をくぐり、少し右手(南側)に進むと、もう一つ、全く雰囲気の異なる門があることにお気づきでしょうか。 重要文化財に指定されている「唐門」です。

山門が「武骨な守護神」だとするなら、唐門は「優美な貴婦人」です。 屋根の正面が弓のように曲線を描く「唐破風(からはふ)」という造りになっており、その下には精緻な彫刻が施されています。 実はこの門、普段は閉じられています。かつて皇室からの使者(勅使)をお迎えする際などにのみ開かれた、最高格式の門なのです。 専修寺が歴代天皇の信仰厚い「門跡寺院(もんぜきじいん)」であることの、無言の証明とも言えるでしょう。 黒塗りと金金具のコントラストが美しく、この門の前で足を止めて見入る参拝客も少なくありません。







