毎月28日は、茶道の祖・千利休の月命日(利休忌)です。
戦国の世、利休は織田信長や豊臣秀吉という天下人に仕えました。 今日は、彼らが作り上げた「茶の湯」という文化を、少し違った角度から紐解いてみたいと思います。
■信長という天才の「価値創造」
織田信長という男の凄さは、鉄砲や兵法だけでなく、経済感覚にあったと言われます。 当時、武将への恩賞といえば「領地(土地)」を与えるのが常識でした。しかし、土地には限りがあります。そこで信長は、ただの陶器の茶碗や茶入に、「一国一城に匹敵する価値」を与えました。 「名物(めいぶつ)」と呼ばれる茶器を持つことが、武将のステータスとなる。そんな新しい価値観をゼロから創造したのです。 土くれ同然のものに、城と同じ価値を見出す。この圧倒的な「価値の転換」こそが、信長の天才たる所以でしょう。
■茶室は「命がけ」の場所だった?
その信長や秀吉に仕え、茶の湯を大成させた千利休。 彼の茶会は、主(もてなす側)と客(もてなされる側)が、膝を突き合わせるほどの狭い空間で行われました。現代の私たちは「おもてなし」と聞くと優雅なイメージを持ちますが、当時はどうだったでしょうか。 相手は絶対権力者の秀吉や、美意識の鬼である利休です。 招かれた客にとっては、作法一つ間違えれば命に関わるかもしれない、極度の緊張を強いられる「戦場」のような時間だったかもしれません。
しかし、そんな極限状態だったからこそ、利休は相手のわずかな変化も見逃さない、研ぎ澄まされた配慮を徹底しました。 利休の逸話で有名なのが「夏は涼しく、冬は暖かに」という教えです。 当たり前のことのようですが、利休の真骨頂は、その場その時のお客様の状態を見て、瞬時に最高のもてなしをする「臨機応変」さにありました。
マニュアル通りの接待ではありません。 客が喉が渇いていそうなら、最初の一口は飲みやすい温度でたっぷりと。 寒そうにしていたら、火鉢の炭を直して暖かく迎える。 相手の心を読み、先回りして心地よさを提供する。これこそが、利休が目指した「一期一会」の精神です相手の心身の状態を瞬時に読み取り、先回りして整えるという、究極の気遣いの極意です。
■「緊張」を取り除き、「気遣い」だけを残す
ひるがえって、現代の私たちの住まいです。私たち分譲シニアマンションが目指すコミュニケーションサービスは、利休のおもてなし精神を受け継ぎつつ、その「緊張感」だけを完全に取り除いたものです。
スタッフは、利休のように入居者様一人ひとりのことを深く理解し、「何かお困りではないか」「今日は顔色が良さそうだ」と常に心を配ります。 しかし、そこに入居者様が気を使う必要は一切ありません。 皆様は、天下人のような顔をして、ただその快適さを享受していただければ良いのです。
「察する」という日本古来の美意識はそのままに、命がけの緊張感ではなく、心からの「安らぎ」を提供する。 それが、私たちが考える現代の最高のおもてなしです。
■価値観の転換を、現地で
かつて信長が、土地(広さ)から茶器(質)へと価値を変えました。 今の時代、シニア層にとっての住まいは、「広さ」という価値から、生活の実用性だったり、そこから得られる安心感へと、価値観を転換する時期に来ているのかもしれません。心安らぐ現代の茶室(さすがにそれは言い過ぎですけど) ぜひ見学会で、その過不足のない空気感をお確かめください。






