皆様はQOL(Quality of Life)という言葉を知っていますか?
「人生の質」、「生活の質」「生活の質」などを指す言葉で、
人生の満足度をあらわす指標のひとつといわれています。
医療・介護など、さまざま分野で注目され始めていますが、
まだまだ一般的に語られる言葉ではないため、QOLとはどのようなものか、
QOL向上とはどのようなことを指すのかを、
介護の視点から考えてみたいと思います。
■QOLとは何でしょうか?
QOLとは、ひとりひとりの人間が、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、
人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念です。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)の
健康憲章からみると、QOLの定義は、
(略)not merely the absence of disease,
but physical, psychological and social well-being」
「単に疾病がないということではなく、身体的にも精神的にも
社会的にも完全に満足のいく状態にあること」
「一個人が生活する文化や価値観のなかで、 目標や期待、基準、
関心に関連した自分自身の 人生の状況に対する認識」となります。
QOLは、「自分らしい充実した人生」をどれだけ送れているかの
指標ではありますが、そもそも自分らしさとは何か?ということは、
自分自身を鑑みてひとりひとりが定義する必要があるので、
そこが大変難しいところです。
みなさんは、自分らしさとは何かを把握されていますか?
さて、WHOは評価基準として、国際間比較が可能な
「WHO/QOL」と呼ばれるQOL基本調査票を開発しました。
この基本調査票はQOLの構成領域を「身体的領域」
「心理的領域」「自立のレベル」「社会的関係」「生活環境」
「精神性/宗教/信念」の6領域に設定して質問を設け、
その回答を点数を集計して、受検者の主観的幸福感、
生活の質を測定します。
■QOLを向上させるには?
QOLを向上させる方法は、個人個人で異なりますが、
以下のような手段が考えられます。
①しっかりとした睡眠をとる
良い睡眠をとらないと、疲労が回復しません。
睡眠不足は生活習慣病のリスクを高めることにもなります。
②規則正しい生活をする
心と身体が安定することで、あらゆる病気への免疫が高まります。
③健康に良い適切な食事を採る
健康の基本はバランスの良い食事を採ることから始まります。
④適度な運動を習慣化する
毎日の適度な運動は、生活習慣病を予防し、
健康寿命を延ばすことにもつながります。
⑤友人と遊ぶ(リラックスする)
気の知れた友人とのふれあいは、日々の充実感や
満足度を上げることにつながります。
⑥友人を作る
孤独は必要ですが、ときにはだれかと分かり合うことも
大変価値があることです。
⑦趣味をもつ
ストレスの解消に役立ちます。
⑧ボランティアをする(人生の生きがいをもつ)
誰かの役に立つという実感は、幸福感につながります。
⑨目標をたてる
ゴールがなければ、達成感は得られません。
どこに行くのかわかっていなければどこにもたどり着くことはできませんが、
どこに行くかさえ明確になっていれば、
どの道を通っても、必ずそこにたどり着くことができます。
■QOLを重視した介護って
介護の分野において、利用者のQOLを向上させるとは
どういうことなのでしょうか?
要介護認定を受けて、介護サービスを利用するということは、
すでにQOLが低下している可能性が高いですが、利用者の病気や
障害を治してQOLを向上させることは介護職員にはできません。
そのような状態であっても、その人自身が歩んできた道の上で、
自分らしく満足感のある暮らしができるように、
その人の想いに共感し、一緒に歩んでいくことが介護職員の役割といえます。
人生最後の30年間を最高に充実していたと思っていただくために、
その人のために何ができるかを考え、実行していくことが
私たちのゴールドエイジの使命です。